----------------------------------------
【某氏の語り一覧】
某氏の語り vol.1(スノーボードとの出会いから学生大会)
某氏の語り vol.2(学生大会からメーカーサポート)
某氏の語り vol.3(メーカーサポートから初ウィスラー)
某氏の語り vol.4(初ウィスラーからパブリックパイプ)
某氏の語り vol.5(パブリックパイプからキャンプ参加)
某氏の語り vol.6(すさんだ生活からウェンディ問題)
某氏の語り vol.7(マサ登場そしてライアン)
----------------------------------------
8月になった。平々凡々なバンクーバー生活が過ぎて行く。英語学校行ってアパート帰ってジャパニーズで固まって遊んでピザ食って飲み会してタコハチやらイカロクやらカラオケの毎日。語学留学してるやつってやっぱそこそこ裕福なやつが多かったりしてな、そういうやつらと遊んでると金もかかる、なんか感覚おかしなってそいつらとおんなじように使ってたらみるみるロイヤルバンクの口座から金が無くなってった。ようやく金ヤバイって気が付いてタコハチの機会も減らしたわ。学校からアパート帰ってメシ作ってブラブラして寝て起きて学校、学校からアパート帰ってメシ作ってブラブラして寝て起きて学校、学校からアパート帰ってメシ作ってブラブラして寝て起きて学校、っていうリピート生活が続いた。あのすさんだ生活が懐かしい。
そんな中新たな風が吹き込んで来た。他の英語学校行ってたジャパニーズのツレのムネってやつから「学校にスケーターみたいなやつ入って来よったで」って。オレとコウジで「お、マジで!」とか言うて。「より詳細求む」みたいな事でその日は終わってそれからも何の変化も無く日々が過ぎて行った、その事また話す訳でも無く。
2週間ぐらい過ぎた日かな。オレがアパート帰って来たらムネが遊びに来とった。リビングでコウジと話ししとった。そうそう、オレらアパート借りる時、ベッドやらマットレスやら椅子やらをバリュービレッジってリサイクルショップで買って来てたんやけどその時クローゼットも買ったんやわ、クローゼットっちゅうか背丈よりちょっと高いハンガーラックにビニールのシートでカバーしたようなやつ。そのシートもピンクのチェックかなんかでごっついダッサいやつ。安くてハンガーかけれたらそれでええわっちゅうレベルなんやけどそれが部屋に置いてあってそれのせいで部屋全体のセンスが問われる感じのやつ。ジッパーで「ジー」とかいうて開け閉めすんねん。そんなクローゼットのすぐ横で話ししてる二人、ごっつい絵になるわ。
まあそんなこと思いながらもその話しにオレも加わったんや。どうでもええ話しから徐々に例の「より詳細」のことになって来た。スケーターみたいなやつの件。みたいなやつっちゅうかそいつやっぱりスケーターやった。オーリーもちゃんと出来るらしいし実際スケートも持って来とるらしい。今はノースバンクーバーにホームステイしとってワーホリのビザで1年間カナダにおるらしい。そしてオレとコウジとおんなじやった。最大の目的は、スノーボードしに来たらしい。長野から来とって、ショップはEAGLEってとこらしい。「ほほ~EAGLEかぁ~」って思ったな、今はもう無いんやけどその当時のEAGLEっちゅうたら全国的にも有名なショップやったんやわ。北志賀とか行ったらステッカー貼っとる人いっぱいおったしな。そういやライオもEAGLEやったな。
その時。
ピンクのダッサいクローゼットのジッパーが「ジー」って勝手に開いた。「こんにちは~」金髪ロンゲでだぶだぶのデニムはいた野郎が出て来たんやわ。それはそれはビビッたでな、ほんま何事か!バリュービレッジで買った時はなんも入ってへんかったぞ!どういうことやねん!おい!ムネとコウジ!ここにおりながらなんでちゃんと見とらんかったんやねん!とか思ったら。「マサですぅ~、初めまして~」って言いよった。「は!?マサ??…」そしたらムネが「こちらが長野からお越しのマサくんです。」って。ごっつい仕込みやった。オレ、学校からアパート帰って来て結構時間たっとるで、帰って来てから茶飲んだりしてオレがコウジとムネの話しに加わるまでも結構時間たっとるで。話し加わってからもマサの話しになるまでもまた結構時間たっとるで。その間ずっとこのピンクのダッサいビニール臭いクローゼットに入っとったわけや。話しのタイミング掴みながらいつ出るかってずっと考えとったわけや。やるなマサ。いきなり完全にツレになったわ。マサ、完璧溶け込みよった。このマサ、今やGreen Clothing、Novemberとかのデザインしたり自分でもTHE OTHER ONEってブランド立ち上げてる田畑マサですわ。
それからは、マサよう遊びに来よったな。ホームステイしてるノースバンクーバーってオレらのアパートがあるダウンタウンからは湾を挟んでて船で渡るか車でごっつい回って行かなあかんのやけどほぼ毎日遊んでたな、オレとコウジは二人で5万円ぐらいのファミリア買って乗っててムネもトランザム乗っとったし送りむかいしてよう遊んでた。今更ながらマサ学校行っとったんかな…ようわからん。まあでもお陰でオレとコウジはスケートヘボヘボやったけどマサと遊ぶようになってちょっとずつ乗れるようになってきた。なんもでけへんのやけどコリンマッケイとかリックハワードがよく来るポイント行ったりノースバンクーバーにあるコンクリートのスケートパークとかも行ってみたりしてな。なんもでけへんのやけど外人のスケーターとマクド行ってたむろしたりな。車に4人乗ってた時、警察に止められた。なんかしたかな、とか思ったんやけど4人ともニット帽かぶってたから止めたんやて「お前ら4人ともニット帽かぶってギャングか」とか言われてな。どんな話しやねん。まぁでもさすが北米大陸、違う概念あるんやわ。
ある日またマサ誘ってノースバンクーバーにあるスケートパークに行ったんやわ。でも結構人いっぱいいて元々なんもでけへんのに尚更なんもでけへんくてしゃあないし近くのショッピングセンターみたいなとこ行ってそこの駐車場でスケートしてた。そしたら駐車場の違うとこでカナディアンのガキンチョ2人もスケートしとった。2人とも結構うまいんやけどちっこいのとでっかいののデコボココンビな感じででっかい方がよりヤンチャみたい。せっかくやから近付いて話してみたら結構愛想良くてな。ジャパンから来てるって言うても理解しとんのかしとらんのかようわからんけどオレらのとこに遊びに行くとか言うて、ノリええわ。その日にアパートまで遊びに来よった。トレバーとライアンっていうやつらでな、その時15歳ぐらいやったと思うわ。
ライアンとトレバーに会ってからは2人も加わってよう遊んでた。一緒に遊ぶようになってスケートも一緒にするようになってお陰でセキュリティにもよう追いかけられるようになったわ。「RUN!!RUN!!RUN!!」とか言うて逃げて物陰に隠れたり。あとバンクーバーで女の人らが客待ちしてる有名な通りがあるんやけどな、オレらの車にライアン乗せて走った時にライアン窓開けて女の人らに「Hey!Hxxker!」とか言いよんねん。ガチーン!!って思いっきり石投げられたりしてな。そら投げられるわ。ほんまやんちゃ坊主やわ。アパートに遊びに来た時もな、やんちゃしよった。バンクーバーってゴミ出しはアパートの脇にあるでっかい鉄の箱に入れるんやわ、高さ1.5mの大きさが3m×2mって感じのやつ。オレらのアパートの部屋は8階やったんやけどライアン窓からその箱めがけてゴミ袋投げよったねん。案の定箱のふちに当たったりして「ドカーン!」ってゴミ袋破裂や。「Almost!」とか言うて、almostちゃうっちゅうねん。
このライアン、家ではええ子にしてるらしいんやけどな、ほんま素晴らしいやんちゃっぷりやったわ。そしてなんと5、6年前やったかな、いきなり電話掛かってきて札幌におるっちゅうて再会したんやわ。日本人の奥さん貰って千葉でしばらく英語の講師してたんやけど仕事嫌になって札幌引っ越してそっからまた最近まではニセコに住んどった。ideaparkっていう名義でデザインとかしとる。Niseko ATLASっていう冊子を出版したりゴローのreplantのサイトとか作ったりしとる。何やら不思議なもんやわ。でも残念ながら去年バンクーバーに帰ってしもたみたいどす。
vol.7(マサ登場そしてやんちゃライアン)END
0 件のコメント:
コメントを投稿